国家資格である薬剤師資格は、人々の健康に影響を与える薬剤を扱うという性質上、資格取得の難易度は高く多大な努力が必要となります。薬剤師資格を取得するには、どのような方法・ルートがあるのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
当記事では、薬剤師資格を取得する方法・ルートから、資格取得の際の注意点までを解説しています。これから薬剤師を目指す方や、薬剤師に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
H薬剤師資格を取得する方法・ルート
1.6年制の薬学部にある大学へ入学
薬剤師国家試験の受験資格を得るには、原則として6年制の大学へ入学する必要があります。2017年以前までの入学であれば、4年制の薬学部や薬科大学を卒業したのち大学院で2年学べば受験資格を得られましたが、現在では認められていません。
これから薬剤師資格を得るには6年制の大学入学の一択のみの選択肢となります。
2.1~3年次:基礎知識の習得
大学入学後1~2年次は、薬剤師としての地盤となる薬学の基礎知識を学びます。同時に、体験実習を通じて医療従事者としての在り方を身に付けます。
3年次になると専門的な分野についても学び始め、実践的な知識・技能を身に付けるための実習も始まります。
3.4年次:薬学共用試験を受ける
6年制の薬学部では4年次に実務実習へ進む必要十分な知識・技能が備わっているかを確認する薬学共用試験が実施されます。こちらの試験を突破しないと5年次以降の実務実習へ進むことはできません。
4.5年次:実務実習を受ける
病院・薬局にて、それぞれ参加体験型の実務実習を受けます。実際の現場で調剤や服薬指導といった実際の業務の体験を通じて、薬剤師としての基礎的な知識・技能・在り方を習得します。
5.6年次:卒業論文の執筆・国家試験対策を行なう
6年次には大学の研究室にて卒業に向けた卒業論文を作成します。同時に、薬剤師国家試験に合格するための試験対策を進めていきます。大学によっては試験対策に向けた授業や過去問などの教材を提供しているところもあります。
6.薬剤師国家試験を受験する
これまでのプロセスをすべてクリアしたら、最後の砦である薬剤師国家試験を受験します。必須問題90問・一般問題255問の合計345問の選択式の試験が2日間にわたって実施されます。薬剤師国家試験に合格したら、晴れて薬剤師資格の取得となります。
薬剤師資格を取得する際の注意点
薬剤師資格を取得するには、基本的な方法・ルートを把握しておくだけでなく、いくつか注意すべき点もあります。以下に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
独学は可能か?
薬剤師国家試験の受験資格を得るには6年制大学の卒業が不可欠であるため、独学のみで薬剤師資格を取得することはできません。独学は無駄ではありませんが、試験合格に向けて実力を付けるといった学力向上の範囲に留まります。
社会人が薬剤師資格を取得するには?
社会人が薬剤師資格を取得するには、6年制の薬学部がある大学へ入り直す必要があります。薬学部以外の在学生や卒業生も同様です。免除制度や通信制といった制度はないため、仕事は辞めて学業に専念する必要があります。
薬剤師の国家試験はいつ実施される?
薬剤師の国家試験は毎年2月に2日間の日程で実施されます。年に1回しか試験は行われないため、不合格であった場合の再チャレンジは1年後となります。
時間的ロスが大きいため、入念に準備して合格率を高めておくことが重要です。
薬剤師国家資格の合格率は?
薬剤師国家試験の合格率は、7割程度です。全体の約3割が不合格となってしまうため、難易度は高めであると言えます。大学により合格率は異なり、私立大学よりも公立大学や国立大学の方が合格率は高い傾向にあるため、学習環境は非常に重要であると言えるでしょう。
まとめ
薬剤師資格を取得する方法・ルート・注意点について解説してきました。薬剤師国家試験の受験資格を得るには6年制の薬学部を卒業する必要があるため、大学入試から国家試験までの各関門を1回でパスしても、最短で24歳での資格取得となります。
長期戦で挑まなければならないため、薬剤師資格取得へのルートを選択するには覚悟が必要と言えるでしょう。また、長期間勉強に集中できる環境をいかに構築するかもポイントとなってきます。
これから薬剤師資格の取得を目指す方は、ぜひ当記事も参考にして慎重な進路選択とプランニングを実施してみてください。