薬剤師の国家試験で合格してもそれだけでは薬剤師として働くことはできません。必ず、薬剤師免許証の取得が必要です。また、免許証とは別に薬剤師資格証があります。この記事では、免許証と資格証の申請について解説します。
薬剤師免許申請の流れと必要書類
国家試験に合格したあとに薬剤師として業務をするには、厚生労働省管理の薬剤師名簿に登録を申請し、免許証の交付を受ける必要があります。
国家試験の合格発表後に合格証書のはがきが送られてきたら、薬剤師免許の申請をします。申請先は住んでいる場所の保健所(一部県では県庁)で、必要書類は免許申請書、診断書、戸籍謄(抄)本または住民票の写しもしくは住民票記載事項証明書(発行日の翌日から6ヵ月以内のもの)です。また、合格証書の原本の提示と手数料として3万円分の収入印紙が必要なので、どちらも準備を忘れないようにしましょう。
ほかに、登録済証明書を希望する場合は63円切手を貼った登録済証明書用はがき、過去に罰金以上の刑に処せられた場合は判決謄本または略式命令書の写し(原本を持参して照合を受ける)、反省文などが必要です。
免許証が交付されるまでには、厚生労働省での書類の審査と薬剤師名簿への登録などを経て、申請から最長で5ヵ月ほどかかります。
薬剤師資格証とは?申請の流れと必要書類
薬剤師資格証とは、所有者が薬剤師であることを証明する「物」であると同時に、ICチップを内蔵することで電子的証明書の役割も兼ね、2023年1月26日から運用開始となった電子処方箋への電子署名なども可能にするものです。
薬剤師資格証の申請は、日本薬剤師会認証局の公式サイトから申請書の入力と印刷をし、住民票(発行日から6ヵ月以内)、本人確認書類のコピー、薬剤師免許証のコピー、顔写真(申請書に貼付)を添えて日本薬剤師会に郵送で提出します。
日本薬剤師会による審査に合格すると、結果と発行費用に関するメールが送られてきます。発行費用は、日本薬剤師会会員は税込1万9,800円、非会員の場合は税込2万6,400円で、クレジットカードかコンビニで支払い可能です。
その後、所属している都道府県の薬剤師会から資格証受け取りに関する案内が届くので、指定の日時に本人確認書類を持参して対面で資格証を受け取ります。
まとめ
薬剤師には業務を行なうために必要な免許証と、電子証明書にもなる資格証があり、どちらも取得には申請が必要です。書類に不備があると申請から交付までに予想以上の時間がかかってしまうので、厚生労働省や日本薬剤師会認証局のホームページを入念に確認することをおすすめします。