スキルアップを目指す薬剤師におすすめの資格として「危険物取扱者」があります。危険物取扱者は国家資格の一つであり、薬剤師の資格と併せて持っていると転職する際に有利に働く可能性が高いです。以下では危険物取扱者の資格について解説します。
危険物取扱者とは
危険物取扱者とは消防法において定められた国家資格であり、危険物とみなされるものの性質や法令、消化方法について学びます。危険物を取り扱う施設で災害が起きるのを防ぎ、安全を確保するための専門知識を身に付けるのが目的です。
消防法が指定する「危険物」の一例としてガソリンや灯油などがあり、扱い方を間違えると爆発したり燃えたりします。危険物の性質について知らずに扱うのは危険であり、危険物を多く取り扱う場所では危険取扱者がいなくてはなりません。
危険物には火災発生の危険性が大きいもの、火災拡大の危険性が大きいもの、消化の困難性が高いものが指定されており、物品の性質によって第1類~第6類まで分類されています。
また、危険物取扱者の資格は乙種・甲種・丙種の3種類に分けられており、どの種類を取得するかによって取り扱える危険物が変わってきます。甲種では全種類の危険物を、甲種では取得した類の危険物を、丙種では第4類のなかでも指定された危険物を取り扱うことが可能です。
なお、危険施設において危険物を取り扱う場合、危険物取扱者が自ら作業を行なうか、立ち会う必要がありますが、立ち会うときは甲種または乙種の取得者でなくてはなりません。
乙種と丙種は誰でも受験できるのに対し、甲種は「大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者」※など一定の資格が必要なので事前によくチェックしてください。
※引用:【一般財団法人 消防試験研究センター】
薬剤師はどの種類の危険物取扱者を取得すべき?
先述したとおり、危険物を取り扱う際、立ち会いに必要となる資格は甲種と乙種です。そのため、保安監督業務を行なえる甲種か乙種の資格取得を目指すとよいでしょう。
甲種か乙種の資格を取得すれば、危険物の薬品の管理や顧客への取り扱いの説明を任される可能性が高いです。資格を活かして働けるだけでなく、活躍の場も広がります。
医薬品は人の命に影響を及ぼす製品なので、厳重な管理が大切です。医薬品のなかにはアルコールなどの危険物が含まれているものがあり、取り扱う数によっては消防署へ届け出を出さなくてはなりません。
それらの製品を正しく管理し、患者様に提供するうえで、薬剤師が危険物取扱者の資格を保有していると重宝されます。
まとめ
薬剤師はあくまで薬剤を調合したり販売したりすることを認めた資格であり、危険物の取り扱いが認められているわけではありません。危険物の管理や監督には「危険物取扱者」の資格が必要です。
危険物取扱者の甲種か乙種を取得しておくと、職場選択の幅が広がります。特に甲種はすべての危険物を扱うことが可能になり、危険物保安監督者に任命されるでしょう。
病院のなかには危険物を扱っている場合もあるので、薬剤師の資格だけでなく危険物取扱者の資格も保有していると役立ちます。一般的な薬剤師と比べてスキルアップすることが可能です。