薬剤師資格は国家資格であり、更新のための試験もないため、一生ものの資格として人気です。しかし実業務では新しい薬や治療法の登場もあり、自分で専門性を高めていかなければなりません。
専門性を証明する資格としては、認定薬剤師と専門薬剤師の制度が用意されています。この記事では、これら2つについて詳細を解説します。
認定薬剤師とは
認定研修機関で研修手帳を入手したうえで、研修を受講しながら単位シールを集めることで認定薬剤師の資格を取得できます。認定薬剤師の資格の受検範囲は、専門分野で分かれており、自分が極めたいジャンルの知識を体系的に身に付けられます。必要な単位数や費用は認定資格によって異なるため、取得難易度の低いものや費用の安いものから順番に取得してもいいでしょう。
また、働く職場ですぐ使える知識が身に付く資格もおすすめです。小児科に近いところであれば小児薬物療法認定薬剤師、在宅介護の現場にいるなら在宅療養支援認定薬剤師などが該当します。今後のキャリアにも影響してくるため、今の職場にかかわるところを極めるか、新しい知識を身に付けるかも選択のポイントです。
なお、認定薬剤師資格は更新が必要な点に注意しましょう。更新の要件も資格次第ですが、ある程度の単位を取得し続けることを求められます。更新時期になって慌てても間に合わない制度となっているため、計画的に単位を取得する必要があります。
専門薬剤師とは
認定薬剤師として認められたあと、その分野を極めるなら専門薬剤師へのレベルアップを図りましょう。専門薬剤師は資格を管轄する所定の団体から認定を受けなければならず、認定の要件も厳しくなっています。単位取得や実務経験だけでなく、論文発表を要件とする資格もあるため、学習や研究の時間をきちんととっていないと目指すのは難しい資格です。
しかし取得できればプロの証明となり、高度な医療にかかわれるチャンスもめぐってきます。常に新しい情報に触れ、少しでもスキルアップしていきたいと思うなら、専門薬剤師資格の取得を目標に置いてもいいでしょう。やりがいのある仕事、高収入の仕事を求める方も、専門薬剤師資格を取得しておいて損はありません。
まとめ
日々の業務に追われてしまうと、自発的に新しいスキルや知識を身に付けるのはおろそかになりがちです。認定薬剤師や専門薬剤師を目指すことで意識的に勉強することになり、薬剤師としてのスキルアップもしていけます。資格取得をゴールに設定せず、現場に対応した専門性を持つことで、必要とされる人材になりましょう。