国家資格である薬剤師資格は難易度が高いといわれています。その理由はどこにあるのでしょうか。薬剤師資格を取ったあとに取得できる認定薬剤師、専門薬剤師の資格の難易度と併せて薬剤師資格の難易度をご紹介します。
薬剤師資格の難易度
薬剤師資格の合格率は70%前後を推移しており、合格率だけを見ているとそれほど難易度が高いようには見えません。しかし薬剤師試験を受けるためには6年制の薬学部を卒業する必要があります。
大学入学の難易度はそれぞれの大学で異なりますが、入学してからカリキュラムが厳しいことが想定されます。大学の講義がそのまま薬剤師資格の試験勉強になるためです。薬剤師資格の合格率が大学別で発表されることも多く、各大学は合格率を上げたり一定の水準に維持したりすることも目指しています。
そもそも6年制大学卒業の受験資格を得る前に留年や中退をしてしまう人も多くなっています。それだけ厳しい課程をこなしても合格率70%前後であることを考えると、薬剤師資格の難易度は高いといえるでしょう。
また、薬剤師試験の合格基準に、構成する各科目の得点が配点の30%以上であることも設定されています。全科目まんべんなく学習することを求められ、苦手科目を切り捨て、得意科目で得点を稼ぐことが難しいのも難易度を上げている一因です。
薬剤師資格を取ったあと取得できる資格
国家試験に合格すれば薬剤師として働けますが、さらに専門性の高いところを目指すなら認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取ることをおすすめします。
認定薬剤師はかかりつけ薬剤師の要件にもなっている研修認定薬剤師資格をとるのが汎用性も高く、活躍の場所も選べます。研修認定薬剤師になるには申請日からさかのぼって4年以内に40単位を取得しなければなりません。単位はさまざまな方法で取得でき、集合研修はもちろんWebでの研修や学術雑誌への論文掲載でも取得できます。
薬剤師資格に合格するだけの知識を持っているのが前提となるため、計画的に単位を取得できればそれほど難易度は高くないといえるでしょう。
専門薬剤師は各団体から認定を受けた薬剤師のことで、がんや糖尿病など特定の病気に高い専門性を持っている人を指します。団体ごとで認定の要件は異なりますが、一定期間の実務経験を求められたり、症例の提出を要求されたりするため、簡単には取得できません。働いている職場と専門性の異なる専門薬剤師になろうとすると実績や症例が足りずに苦しくなることもあります。
まとめ
薬剤師の専門性が高い分だけ薬剤師資格の難易度も高いといえるでしょう。どの資格も長期間にわたって合格を目指す必要があり大変ではありますが、新しい知識の取得や自分のキャリアアップも同時に狙えるので決して損はしません。学習や単位取得を計画的に行なって薬剤師資格を取得していきましょう。